マリア・カラスつれづれ

 

ドキュメンタリーを見たり、CDを聴いたりと

マリア・カラスに浸っておりますv v

 

日々の世界情勢を見ておりますと

これから何が起こるのかわからないし

やりたいことは色々やっておいたほうがいいと思い

オペラも聴きまくっておこうかな、と。

 

『サムソンとデリラ』も買おうかな~……

 

以下、つれづれ感想です。

 

※19.06.20に加筆・修正※

 

 

 

☆ドキュメンタリー

カラスの人生を当時の記録も交えつつたどります。

この頃は舞台が素敵すぎます!

あの装置や衣装の見事さ、豪華さ、美しさ、上品さ!

まだ本物の貴族がいた頃ですものね~。

 

『椿姫』の舞台装置はヴィスコンティが手がけたとか

当時の方々がうらやましすぎです!

 

彼女の仕事ぶりを見ていて、黒澤組を思い出しました。

妥協しないところが、似ていますよね。

ヴィスコンティも彼女の完璧主義は気に入ったでしょうね。

 

……時代にそぐわなくなっていったのは確かでしょうが……

でもグローバル化したスピードに合わせると

芸術はおもしろみが消えていくんですよね。

 

カラスがインタビューでメディアは「普通」の女性

と答えたときに、そうだよね!と感じました。

メディアのしたことはかなり過激なんですが

(弟もイアソンの叔父もじぶんの子もバラバラ殺人……)

それは恋する男のため、という普通の理由です。

 

人間という生き物は成長するにつれて

自分の立場やら役割やらを承知して

対外的にふるまうことを学習するものですが

彼女にはそれがない。自分の素直な感情の赴くまま。

ある意味「平凡」で「普通」な「ただの」女です。

 

愛が消えたから子どもも殺すとか

恋する相手しか見えていないのですよね。

子どもを思いやる「母」としての彼女はそこにいない。

 

ただ、この感覚をわからない方はけっこういるでしょうね。

カラスが答えたときも

まわりの空気がちょっと凍りましたもの(笑)

 

オペラの女性といえば、カルメンなんかが思いつくと思うのですが。

カルメンはね、あんまり異性愛中心の人ではないのです。

彼女が愛しているのは「自由」に「歌」。

 

男との恋愛は人生のちょっとしたスパイスのようなもので

絶対的に必要なものではない。

昨日愛した男も平気でふっちゃう。

愛をささいても、その言葉は全力の「遊び」なんですよね。

 

でも悪気はないですよ、彼女は人生を楽しんでるだけです。

そのせいで、一人の女性を絶対的に必要とする

異性愛中心のホセに殺されちゃうわけですが(汗)

 

カルメンとエスカミーリョは、とてもお似合いですね~。

エスカミーリョも、平気で何人もの女に愛をささやくタイプだし。

私は人間なら、こういう女性・男性は好みです。

そしてカラスにとって、カルメンは理想の女性ではないそうです。

彼女に生き方からすると、ありえないタイプですものね。

 

一生を人間との愛を知らずに生きるのは

不幸なのか?幸せなのか?

私にはよくわかりません。

それほどの人間の相手に会ったことがないので。

(対物性愛者なので、人外ならそこそこいるが、脱線)

 

こういう愛を知ってしまうと

若くして死ねるのはまだ幸せな方かな?

とは感じますけど。だって、人はいずれ死ぬんですし。

年をとっていって、相手が死ぬと自分も死んでしまう

というのは幸せなんでしょうかね?

人それぞれでしょうから、なんとも言えませんし……

 

 

☆『蝶々夫人』CD

結婚したときは15歳だったんですか、蝶々さん。

それじゃあ、死ぬときも20に達してないよね??

少女の初々しさが見事に表現されています

カラスの歌声が絶品ですv v

 

蝶々さんかわいいです~、そうよね!信じて待つよね!

「ある晴れた日に」のアリアもすばらしい~v v

 

そしてピンカートンはますます嫌いだ……

相手がどういう女か見抜いて、現地妻にしろ

こんちくしょー!という感じです(笑)

彼の友人である領事の意見に私は完全同意します!

 

指揮はカラヤンです、さすがの一言!

なんだかんだいっても彼の演奏はすばらしいv v

 

 

☆『椿姫』CD

舞台音なので、小道具の音も拍手も入っています、おお!

う~ん、ヴェルディの音がする(当たり前です)

これでもかこれでもか、という技巧曲の数々!

 

歌の部分はやっぱりあんまり好きじゃないですね

カラスをはじめとする歌手の方々や演奏は見事なのですがv v

ビゼーは素直な音楽だし、モーツァルトは天上の音だし

プッチーニは難しいけど技巧ありきではないですもんね。

なんの感情も情景も感じない、ワーグナーよりは聴いてられますが……

 

 

☆「アリア集」CD

プッチーニのみのものと、色んな作品のものを聴きました。

『ジャンニ・スキッキ』のラウレッタはちょっと強すぎるかな?

お父さんもひきずりこんで川に飛び込みそう(笑)

 

『トゥーランドット』で

トゥーランドットとリューの両方をやっているのに驚き!

歌いわけが見事ですよ~、この姫君はなかなかの氷姫ですね。

 

『サムソンとデリラ』のデリラはすばらしい!

サン=サーンスの音楽は見事ですね~。

 

他にも色んなアリアがあるのですが

カラスはどんなオペラの女性でも演じられるんですね~。

彼女が20世紀最高のソプラノ歌手であることは

間違いないですよ。

 

最近あちこちで聴く(フィギュアスケートが多いかな?)

オペラ曲を歌ってらっしゃる歌手の皆さん。

歌い方の傾向なのか、個人的には下手な人の割合が増えてきた気がします。

音の変化ができてないし、キープも出来てないし

一番気に入らないのはビブラートを「かける」ところでしょうかね。

 

ビブラートは「かける」んじゃなくて「かかる」んです!

歌手の圧倒的な声によって、まわりのものが共鳴して

結果としてふるえてきこえるのがビブラートなんですよ~(泣)

 

マリオ・デル・モナコとか聴くと納得ですよv v

CDは音が整えられちゃってるので、わかりにくいと思いますが

レコードで音楽を聴くと、こちらも共鳴する感覚がわかります。

 

個人的な好みでクラシックを聴くなら

生演奏か、レコードですね~v v