このところBShiでバレエの放送が続いています。
とりあえず見たものの感想です。
※19.06.18に加筆・修正※
★ストラヴィンスキー特集
マリインスキー劇場バレエ団。指揮はゲルギエフ。
ストラヴィンスキーは、アンセルメ指揮のレコード盤を聴いていて
彼の指揮を聴くのは初めてでしたが、とてもよかったです。
☆『火の鳥』
踊りをちゃんと見たのは初めてです。
火の鳥の登場から、フィナーレまであっという間。
え~、こんなにおもしろかったのか!とびっくりしました。
おかげでしばらく頭の中は『火の鳥』。
舞台として完璧でした。文句のつけようがありません。
火の鳥はとにかくかっこいい。グラン・ジュテも高いし、脚も開く。
カスチェイ王との対決の下りは、ポーズがとても決まってます。
カスチェイ王は存在感がとてもあります。マイムが見事。
王女はかわいらしく優雅に。
王子はおばかでほれっぽくて、でも勇敢?
しかしバレエの王子さまってお得な役だなぁ……
☆『春の祭典』
レオタードで踊る、ベジャール版も有名でしょうかね。
かのニジンスキーの振り付けを再現したもの。
踊りが始まって数分。思わず笑ってしまいました。
初演は1913年。これを1世紀近く前に、見せたんですか?
ニジンスキー、なんて時代を先取りしすぎているんだっっ。
実際初演時は、大変な騒ぎになったのですよね。
観客の嘲笑、罵声、怒号が飛び交い、音楽が聞こえないほどだったとか。
これを踊らされたダンサーの皆さん、大変だったでしょうね。
今までのバレエの動きと全く違うんですもの。
音楽のスケールがとても大きいので、よくがんばったなぁ、と思います。
ウォルト・ディズニーが『ファンタジア』で
『春の祭典』を太古のドラマとして表現しましたが
このぐらいのスケールがぴったりかも、です。
☆『結婚』
振り付けはニジンスキーの妹、ニジンスカ。
ちなみに聴くのも初めてでした。
まずあまりの不協和音に、脳の処理が追いつかない。
ストラヴィンスキーの音楽は、時代をかけすぎです。
踊りも負けじ劣らじ、モダンですねぇ。
三つともとてもすばらしかったです。
でもせっかくだから三大バレエのあとひとつ
『ペトルーシュカ』も見たかったなぁ。
★ベジャール特集
『ボレロ』がなくて残念。
これを見てやっぱり、現代バレエは苦手だなぁ、と思いました。
だってどの曲を使っても、いきつくところは直接的な性愛表現なんですもの。
レオタードだけだと、目のやり場にすごく困る……
すごいんですけどねぇ、やっぱりそこまでやられちゃうと、う~むです。
間接表現のほうが好きなのです、なんやかんやでね。
★『ジゼル』
テレビをつけたら第2幕の文字。
第2幕って何の……と思ったら『ジゼル』でした。
あわてて見る見る。
日本のバレエ団だったのですが、主役二人は客演で、さすがでした。
ウィリーになってからのジゼルは、体重がまったくない。
空気を動かす、ふわっという効果音もないかのよう。
あとアルブレヒトがすごくよかったなぁ。
あれだけ後悔してくれるなら、ジゼルが許してしまうのもわかります。
主役二人の、第1幕の解釈も見たかったなぁ。おしいことしました。
これの次が『白鳥の湖』になるのも納得。
キープも長くて多いし、優雅なバレエなんですよね。
ストラヴィンスキー、ニジンスキーあたりからバレエが変わってくるので、
こちらを先に見てしまうと、ちょっとたるいのですが。
それにしても、ミルタはず~っとこわいですね。
彼女はどういう経緯で、ウィリーになったんでしょう。