水野英子版『ローマの休日』

 

タイトル作品を目当てに『ロマ×プリ』4号を買ってきました♪

映画を元にしたマンガです。

昔は映画の宣伝用に、全体のお話を描くのがOKだったそうです。

 

今回は魔夜さんのギャグミステリーが載っていて

けっこうおもしろかったです。

あいかわらずこの方の絵は緻密です。

なんでこんなに幾何学的な絵を描けるんだろ~?

 

以下、ネタバレです。

 

※19.06.18に加筆・修正※

 

 

 

マンガ作品としてとてもすばらしい。

これを先に読んでしまった人が

映画よりおもしろいと思う気持ちは、わからなくもないです。

私はそうは思わないですけど。

 

なぜかというと、映画は映画、マンガにはマンガの良さがあって

同じ話を元にしていても違うものができあがるんですよね~。

映画『ローマの休日』とマンガ『ローマの休日』は

どちらもその媒体の良さをいかしきった、すばらしい作品になっています。

どちらかが上、ということはないです。

 

☆☆☆

 

原画展を見て思ったのですけど

これほど間接表現で男女間の情感を描けるマンガ家は

いらっしゃらないんじゃないかな?

人の感情、月の光や花の香りだって感じるんです。

『銀の花びら』の恋愛場面は、うわ~って感じでした。

おしよせてくる情感に圧倒されるぐらい。

 

彼女の絵は、美術館においても違和感ないのでは、と思いました。

しかもすでに原稿は紛失していたため(手塚さんもよくありますね)

雑誌からきれいに再現したものだったんですよ。

原画はどれほどの輝きをはなっていたのでしょう……?

『ホフマン物語』『ルートヴィヒⅡ世』などは、恍惚、の一言でした。

 

手塚さんを発端とする、水野さんら古参の描き手の作品を見ると

これを見て育ったこどもたちが

すばらしい描き手になるのは当然だろう、と思います。

もちろん受ける側の感性も大事なんですけどね。