「三平inカムチャッカ」執筆中に
発表した短編があるため
平成版としては初めて複数収録となります。
作者が途中で断筆となってしまった
エピソードも他にあるのですが
三平くんの物語はこれにて完結です!
以下、感想です。
★「御座の石」
三平くんの基本の釣りである
鮎が軸となるエピソードですが
地球温暖化に伴う異常気象と
組み合わせるのはさすがですね。
すっかり水が干上がってしまった川で
ポイントである「御座の石」付近を
研究する三平くんとユリッペですが
そこで生き物の化石を発見!
近所のあんちゃんを巻き込み
博物館勤務の先生もおそらく
クジラだろうと話がまとまりかけますが
三平くんの一声で突貫発掘が開始となります。
一平クラブの皆さんが大活躍ですね。
本当なら恵みの雨となる
雷雨による川の水復活の手前で
なんとか発掘を終えた化石が
クジラではなくカイギュウ、
それもミッシングリンクに相当する
世紀の大発見!というのはドラマですね~。
化石の発見から発掘・新種確定のうえ命名・
博物館で特別展・表彰されるという
エピローグまで一年がかりのお話なのでした。
いつもの鮎釣りで終わるのです。
長めのあとがきにて
元となった実話についての取材や
昔の執筆状況について
詳しくふれられているのでした。
★「能登のタコすかし」
一平じいちゃんが亡くなって三年後の秋。
じいちゃん宛に、釣り竿を作るための
道具である火のし用コンロが届き
三平くんの能登行きが決まります。
ユリッペも一緒だ!
職人技と能登の最北端を
堪能したのち、おなじみの
釣りバトル開始となりますが
相手はタコなのだ!驚き!!
あとがきにて構想から完成まで
時間のかかった作品と述べられていますが
一平じいちゃんごひいきのコンロで
タコを美味しくいただくところまで
よき仕上がりの短編なのでした~。
とても美しく描かれているとはいえ
能登半島の先端は今は……