『釣りキチ三平 平成版』第12巻

 

「三平inカムチャッカ」執筆中に

発表した短編があるため

平成版としては初めて複数収録となります。

 

作者が途中で断筆となってしまった

エピソードも他にあるのですが

三平くんの物語はこれにて完結です!

 

以下、感想です。

 

 

 

★「御座の石」

三平くんの基本の釣りである

鮎が軸となるエピソードですが

地球温暖化に伴う異常気象と

組み合わせるのはさすがですね。

 

すっかり水が干上がってしまった川で

ポイントである「御座の石」付近を

研究する三平くんとユリッペですが

そこで生き物の化石を発見!

 

近所のあんちゃんを巻き込み

博物館勤務の先生もおそらく

クジラだろうと話がまとまりかけますが

三平くんの一声で突貫発掘が開始となります。

一平クラブの皆さんが大活躍ですね。

 

本当なら恵みの雨となる

雷雨による川の水復活の手前で

なんとか発掘を終えた化石が

クジラではなくカイギュウ、

それもミッシングリンクに相当する

世紀の大発見!というのはドラマですね~。

 

化石の発見から発掘・新種確定のうえ命名・

博物館で特別展・表彰されるという

エピローグまで一年がかりのお話なのでした。

いつもの鮎釣りで終わるのです。

 

長めのあとがきにて

元となった実話についての取材や

昔の執筆状況について

詳しくふれられているのでした。

 

 

★「能登のタコすかし」

一平じいちゃんが亡くなって三年後の秋。

じいちゃん宛に、釣り竿を作るための

道具である火のし用コンロが届き

三平くんの能登行きが決まります。

ユリッペも一緒だ!

 

職人技と能登の最北端を

堪能したのち、おなじみの

釣りバトル開始となりますが

相手はタコなのだ!驚き!!

 

あとがきにて構想から完成まで

時間のかかった作品と述べられていますが

一平じいちゃんごひいきのコンロで

タコを美味しくいただくところまで

よき仕上がりの短編なのでした~。

 

とても美しく描かれているとはいえ

能登半島の先端は今は……