新谷かおるの作品、全7巻。
続編の『クリスティ・ロンドンマッシブ』にて完結。
こちらをもって新谷さんは引退宣言をしているので
最後の作品になるのかな(新作ずっと待ってますけどね!)
世界中で知らぬ者はいない
大英帝国時代に生まれた名探偵
シャーロック・ホームズシリーズの
上質な翻案作品です。
以下、感想です。
主人公はホームズの姪こと
伯爵令嬢クリスティ。
(出生の秘密にて、大物が祖母と判明)
(大物すぎて、さすがフィクション!とうなるしかない)
ハイテンション時代は
原作の物語を軸に展開するのと
主人公がちびっこなので、こちらが好みですv v
新谷さんは異民族間の差別や闘争の物語を
描くことに慣れているので、大英帝国時代を
新作フィクションで描く際の手綱も見事です。
最後が占領下インドにがっつり関わる話ですもんね~。
英国内でも女性や子ども、身分の低い男性への
人権など存在しておりませんので
現代読者が原典に触れたさいに
ちょっとそれはあんまりじゃ……といった話にも
ちゃんとフォローが入るため快適です。
このバージョンのワトソン先生は
現代でも最強紳士としてふるまえると思う!!
ホームズさんも癖はあるが問題ない路線です。
原典内でわりとひどい目に遭っている女性陣も
個性ある女性として尊厳ある描き方をされてますが
そういえばアイリーン・アドラーの登場はなかったな。
そしてオリジナルキャラたちは新谷組女役者なので
無礼者に容赦しないかつ圧倒的武力持ちメイドさんなのであった。
途中に出てきた謎の吸血鬼さんたちは
他作者さんの作品出身なのだが、圧がすごかった。
ロンドンマッシブのほうの感想は
また別記事にします。
あの方が!ついに出るのだ!!