『絶滅酒場』

 

黒丸の作品、全5巻。

 

本来の意味で擬人化された古生物たち

(たまに人間バージョンが出てくる)が

居酒屋で平和に過ごす、とても魅力的な作品でした!!

 

『東京サラダボウル』にて

足のいっぱいいる生き物描ける作家さんだ~と

集めましたら、いつもお世話になっている

土屋さん協力&コラム付きで、嬉しいサプライズ。

 

ちなみに当方恋愛対象「人外」の個体につき

古生物の「容姿」に対して

ハートマーク飛ばしまくってますが

そういう文章が平気な方、推奨です。

 

以下、感想です。

 

 

 

5巻完結なのがもったいないです。

永遠に続いてほしい物語だった……

(関係者の皆さまが作るの大変だぞい!)

 

今読み進めている『古生物食堂』内にて土屋さんが評する

「古生物たちが居酒屋でくだをまくユニークな作品」を土台に

人間社会での障壁や困難にも切り込みつつ

「一度絶滅した生き物たちに人類はどう向き合えばよいのか」を

誠実に描き切ってくれました、満足。

 

カンブリア紀女子会は、酒の入った気の置けない女友達の

単語選択は過激になりますよね!!とうなずくしかない

(生娘だの性器だの……まわりの常連が怖がる・爆)からの

アノマロカリス(美形!まじで美形!!)登場により

きゃー!!!と盛り上がるの、ものすごくわかるぜい……

 

正直なところ美形パラダイスかよ、という勢いで

好みの造形しか出てこないのですが

(人型のネアンデルタールさんですら魅力的)

お嫁に行くなら、シダ農家さんがいいです……

大丈夫!私も草食べるから!!

 

古生物たちの特徴と人間社会の特徴を

組み合わせるのが本当に巧みで

親戚がいっぱいでわからんシリーズでの

「むかわ竜」くん登場は拍手送りたくなりました。

 

肉食と草食の種族が仲良くしてるし

水棲の生き物たちが大気中で暮らしてるのすごいな

ファンタジーっていいね、と思っていたら

「絶滅させた生き物たちを復活させた実験場」という

本格SFになっていました。どっちでもいいのだよ!!

 

ママさんが語る言葉が本当に好きで

そういう存在であり続けられるならきっと

それも「ホモサピエンス」の価値だろう、と

前向きでいられるのもよいことです。

 

食材の生き物たちはどうなってるんだろう……と

正直マンモス狩の話から気になっていたのですが

(ここに登場するオオカミがまた美形でさ!妻子持ちだけど!!)

「街」の外の生き物たちは特殊発達してない生き物だが

中の生き物たちは違う、という違いなのでしょう。

 

ずっとふきだしの形違いが気になっていましたが

この最後のほう見る感じだと

それぞれが自分の鳴き声駆使してしゃべってるけど

ちゃんと通じてる世界なんだろうな。

(傑作ウルトラ怪獣コンビニCM方式だ)

 

最終話は本当にめでたかったのですが

ルーシーちゃんの過去との決着や

ハルキゲニ美ちゃんとエオマイアくんが

カップル成立する話が!なんとなかったのです!!

 

つまり二次創作するしかねえ、という気分ですね。