劇場版『若おかみは小学生!』

 

高坂希太郎監督作品、2018年公開。

 

今年はAmazonプライム会員復帰したので

週一ぐらいで映画色々見たいなあ

という野望がありますよ。

 

原作は読んだり読んでなかったり。

私にとっての青い鳥文庫は

若おかみ&黒魔女ではなく

パスワード&夢水なのでね。

 

TVシリーズのほうは未視聴です。

あっちのほうが原作に忠実っぽいのですが。

 

好評なのは傍目に見ておりましたが

チラ見した山場となる要素に引っかかりがあり

劇場に足を運ぶには至らず。

最後まで見ると、その時の判断は正しかったと思います。

 

以下、感想です。

 

 

 

さすがジブリ系スタッフぞろいなだけあり

作画は申し分なかったです。

省略の処理やら映り込みやら

細かいところまで凝ってるし

虫たちがかわいいのがいいね!!

 

配役もバランスがよかったので

ご両親以外はあんまり気になりませんでした。

おっこちゃん、熱演だったねえ……

泣かれるとこっちがきついですよ。

 

両親を亡くしたばかりの小学生のおっこちゃんが

たった一人で祖母の元に向かったり

その後若女将修行をすることになったくだりなど

あまり大人(幽霊含め)に守られていないのでは……

というところが、やっぱり引っかかるのですよね。

 

青い鳥文庫でさらっと描かれて

こちらが読む分には気にならなかったのですが

なまじ描写が丁寧な分、逆に気になってしまう。

 

劇場作品としてまとめようとした弊害かな……

冒頭の交通事故、結構はっきり

描いてあってこちらがびっくりでしたよ……

その後のPTSD、赦しの描写を入れていくには

必要な要素との判断だったのでしょうが。

 

おっこちゃんがトラックの運転手さんを

若おかみとして受け入れる=「赦す」パートは

それまでの成長の軌跡と最後に書くキャラの存在から

納得はできるのですが、スタッフなんでOKしたんでしょう……

 

山ちゃんのお芝居はさすがの一言で

二番目の事故の加害者でもあり、一番目の事故の被害者でもある

ある意味映画を観ている私たちだったかもしれない人を

なんともいえない立ち位置で表現していたので感心しましたが。

(とはいえ旅行前のリサーチ足りない気はしているけど)

 

加害者との対面やら、ウリ坊たちとのお別れやら

原作にそんな怒濤要素あったっけ?と思っていたのですが

本編を見た後でちゃんと調べたら

スタッフで劇場版の山場用に考えたパートらしい。

ちょっとほっとしました……

 

女将の指導役に徹するしかないおばあちゃんや

同僚となってしまった皆さんからのケアから

小学生のおっこちゃんが外された状態だったので

(幽霊もだよ。原作だともっと共同体描写あったし)

今作でのグローリー水領さまはすんげー輝いておりました。

 

おっこちゃんとグローリーさんの

交流パートは一見の価値ありですわね。

化粧変化も丁寧だったし、ファッションショーからの

全部買い……大人のお姉さんすげえ、となるなど。

 

おっこちゃんの一大事に駆けつけるのも

よかったですね……この人がいなかったら

本当にどうなってたんだろう……という山場であった。

 

原作だと突然の美男美女が

いつも楽しみだったのですが

恋の応援役でないグローリーさんは

こんなにすごかったんだな……