『忍法秘話』第1巻

 

白土三平の作品集、中編と短編が混在。

 

白土三平作品において私が幼少期

大大大好きで、生き様に影響を受けた

スガルさんの話(第4巻)をしたいので←

巻ごとに記事の作成となります。

 

以下、感想です。

 

 

 

★大魔のガロ

信長の名前により、戦国時代と

舞台が特定されるのですが

四貫目さん、どこにでもいるのだな……

地図がちゃんと出てくるのありがたい~。

 

変装しているガロが連れている

子どもを「利用」して懐に

入り込むのは、忍びでなくとも

有効な技ですね……生き物増やしてく

ところはぞっとするのですが。

 

隠密であるサネが四貫目にそっくりなので

読者はおや?となるのですが

(最後はガロに殺されてしまう)

四貫目の影武者と知れるのは鮮やか!

 

やませの術が作者の語りで説明されますが

他者を「人工的に」アレルギーに追い込むの

殺す気で使う術だな……ここでガロは

死した、と思われるわけですけれど!

 

復活したガロと再び対決するべく

子どもを人質に捕られた四貫目は赴くも

ガロと手を組むことになる展開は熱い!

しばし他の忍びたちの屍の山が築かれるのだ。

 

子どもを「利用」されたことで

己が死にかけたにも関わらず、身寄りのない

子どもたちを守るのはやめないの

それをやめたらガロという個人は死んでしまう

からなのだろうなあ……という描き方が好きです。

 

そして子どもらに教育を授けていたガロ

(また、我が子を愛している四貫目)とは違い

「道具」として利用することに躊躇がない

刺客によって、ガロは本当の死を迎えるのだった。

 

 

★遠当

こちらのタイトルから読切となります~。

百姓たちに生きるための知恵を

授けて生きてきたことで、

術者との戦いには敗れても生存者となる

という締めが良いですね……

 

 

★妙活

幻術師が仇討ちを企てる

少年を助けるお話。

幻と現実の危機を交差させるの

お見事であるな~。

 

 

★陽忍

若手の忍びが医者に化けて

城に潜り込むお話、と見せかけて

さらに上手が潜入していた、というオチ

さらっと出てくる拷問がえぐいぜ。